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シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン・アカデミー合唱団演奏会 (2005年4月16日)
 新学期が始まって一週間、疲れが蓄積しているのを感じていたので、「せっかくの演奏会だけれども途中で寝てしまいそうだな」と思いながらイズミティ21・大ホールに入りました。ところが目の覚めるような演奏とはこのことで、最後まで全く眠くならずに演奏会を聴き終えました。
 第一声を聴いてまず思ったのは、「声がよく鳴っている」ということです。プロの合唱団だから当然といえば当然なのですが、一人一人が声楽的にしっかりしていて、フォルテの部分も一生懸命歌っているというより、よく響いて鳴っているという感じなのです。もちろんピアニッシモの部分もとてもいいバランスで崩れがありません。音色もよく揃っていますが、無理に揃えているという感じは受けず、各自が声楽的に正しい歌い方をしたら、結果的に音色が揃ってきたというふうに自然に聞こえました。そういう声で自分たちの十八番のシューベルトやブラームス、シューマンを歌うわけですから、素晴らしくないはずがありません。
 私は、ドイツ・ロマン派の合唱曲はあまり好きな方ではないのですが、今日は全く退屈せずに聴くことができました。プログラムの中の「スペインの歌芝居 op.74 」(シューマン)は、私も学生時代に学内演奏会で歌ったことがありました。そんなことはすっかり忘れていましたが、今日、曲を聴いて思い出し、懐かしく思いながら聴きました。それもあって、とても楽しい演奏会でした。