戻る



グリーンウッドハーモニー第54回定期演奏会 (2006年7月2日)
 今日はグリーンウッドハーモニーの定期演奏会を聴いてきました。会場は仙台市民会館大ホールで、私は久しぶりにこのホールに入りました。開演5分前くらいに入場したのですが、1階席は7割くらいの入りで、私は中央の通路より3列くらい前のほぼまん中の席に座りました。
 第1ステージはゲレーロ(パレストリーナと同時代のスペインの作曲家)、モンテヴェルディ、シェーンベルク、ウェーベルン、ぺルト(1935〜)らのアカペラの曲と、モーツァルトの Regina coeli KV276のピアノ伴奏での演奏でした。
 私は第1ステージがグリーンウッドのいいところが最も発揮されたステージだと感じました。ゲレーロとモンテヴェルディは、お手の物といった感じで安心して聴いていられました。各パートとも抑制の効いた声できれいに仕上がっていました。
 シェーンベルク、ウェーベルン、ぺルトについては、こんなに難しい曲によくぞ挑んだという感じです。演奏会で取り上げたということがまず凄いし、無事歌い切ったというのも立派です。(出来はあまり良いとは思えませんでしたが、とにかくステージに乗せたというのが立派)
 モーツァルトは声も一番出ていたし、演奏もこなれていて良かったと思います。
 第2ステージの「四つの優しき歌」(鈴木 輝昭)は、いいと思えませんでした。日本語が浮き立ってこないのです。声は溶け合っていてハーモニーはきれいですが、各パートが何を言っているのか、今どのパートが主役なのかハッキリせず、もわっとした音のかたまりが鳴っているという感じで、4曲ともスッキリしませんでした。
 第3ステージ委嘱作品「斉太郎節考」〜宮城の民謡による三つの頌詠〜 は意欲的なステージだと思いました。第1曲のさんさ時雨考は規模も大きく聴き応えがありました。第2曲はテンポのいい、軽めの曲で楽しめました。第3曲の斉太郎節考は、この3曲の中で最も歌い込んだ(去年の京都世界合唱シンポジウムでも歌った)曲のはずなのに、一番よくありませんでした。こんなにこじんまりした、エネルギーの燃焼を感じさせない曲じゃないだろう?・・・と思いました。
 第3ステージ全体の印象として、民謡を素材とした曲だから、発声もそれを意識した張った声で、パートとしても個人としてももっと自己主張した(溶け合うのではなく、張り合う)音楽作りのほうがそれらしいのではないかと思いました。