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もの思いの合間に

〜もの思いにまつわる演奏家とその名盤〜

 デラー・コンソート                                   2006. 9. 9
 カホウソウ・コンソートの名前のもとになったのが、デラー・コンソートです。デラー・コンソートは、カウンター・テナーのアルフレッド・デラーが1950年に結成した声楽アンサンブルです。アルフレッド・デラーは1979年に亡くなっているので、私が大学で歌っているとき、もはやデラー・コンソートは存在しませんでした。私はデラー・コンソートを、ウィリアム・バード「3声のミサ曲」のすばらしいレコードの演奏を通して知りました。

 宮教大混声合唱団は夏合宿中の息抜きとして、夜の練習時間1コマ分を使って団員が自分の得意な(?)出し物を披露する音楽会を開いていました。そこで、同学年の男3人で「3声のミサ」を歌うことにしました。(3人で歌える曲を探したらこれになりました。)
 そのとき、カセットテープにダビングしてもらって初めて聴いた「3声のミサ曲」の演奏がこのデラー・コンソートのものでした。一発で好きになりました。でも、そのときはバードの「3声のミサ曲」を気に入ったのであって、演奏しているデラー・コンソートのことは気に留めませんでした。
 ところが、その後「3声のミサ曲」のいくつものレコードを聴いたのですが、このデラー・コンソートの演奏を越えるものには出会いませんでした。あの精緻を極めるヒリヤード・アンサンブルの見事な演奏でさえ、なんだかつまらなく思えたのです。いいえ、精緻を極めることが何なの?と感じさせられたと言ったほうがいいかもしれません。それほどまでにデラー・コンソートの演奏には音楽の喜び、歌う楽しさが溢れているように思えました。

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