もの思いの放課後

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クリスマスの思い出                                    2005.12.24

 今日はクリスマス・イヴです。この時期になると、小学校では「サンタクロースがいるということを何歳まで信じていたか」という話題がよく出るのですが、私自身はいつまで信じていたか確かな記憶がありません。クリスマス・プレゼントの記憶もありません。クリスマス・プレゼントで、欲しいと思っていたものをもらって喜んだという記憶がないのです。(昔からプレゼントをあまり欲しがらない変な子供でした。)
 クリスマスの記憶が全くないわけではありません。クリスマス・ツリーが飾ってあったことは覚えているし、クリスマス・ケーキを食べたことも覚えています。私が幼いころ、祖母が家事を取り仕切っていたので普段は和食中心だった我が家も、クリスマスの夕食だけはケーキに合わせて洋食でした。私はポタージュスープが好きだったので、それが出されるクリスマスの晩餐はとてもうれしかったことを覚えています。
 大学生になって仙台に出てきてからのことを思い出してみても、クリスマスのこれといった思い出はありません。一番の思い出と言えば、元寺小路教会のクリスマス・ミサで讃美歌を歌ったことでしょうか。
 ある年のクリスマス前、合唱団のサークル室で、イヴの夜にミサをやる教会はないかという話題が出ていました。ほとんどは昼間にミサを行うようでしたが、元寺小路教会と、あと2つ3つの教会がイヴの夜にミサを行うようでした。同級生のY子がクリスチャンで、元寺小路教会のクリスマス・ミサに行くと言うので、それまで合唱団でミサ曲を歌っていながら本物のミサには出たことがなかった私は、合唱団仲間数人といってみることにしたのです。
 当日、ミサが始まる少し前に行ったら、Y子が「ミサの中で讃美歌を何曲か歌うから、いっしょに歌えば?」と言うのです。一般会衆としてではなく、二階の聖歌隊のところで歌うらしいので、「俺たちクリスチャンでもないのに、いいのか?」と聞いたら、「いいんじゃないの」と特に問題はないといったふうでした。こんな機会はめったにないだろうと思ってみんなで歌うことにしました。(今は建て直して近代的な建物になってしまいましたが)当時、元寺小路教会は古い木造の趣のある教会で、そのぎしぎし軋む急な階段を上って、これまた大勢乗ったら落ちそうな二階の聖歌隊席で讃美歌をほとんど初見で歌いながら、クリスマス・ミサに参加しました。
 私はクリスチャンではありませんが、キリストの生誕を祝うという本来の意味を考えれば、これが私にとって今までで一番クリスマスらしいクリスマスの思い出です。


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