季節外れの夏祭り 2007. 3. 25 |
もう20年近く前の話です。その当時勤務していた学校の野郎会(男の会)の送別会は飯坂温泉で泊りがけで行われました。飯坂温泉のずいぶん奥まったところに定宿があって、宴会は土曜の勤務(当時はまだ土曜日も出勤日でした)が終わってから、東北自動車道で福島・飯坂温泉まで行って行われていました。私たちはみんな、何人かの車を出してくれる先生の自家用車に分乗して飯坂温泉に向かいました。
その年も暖冬で、温泉宿の周りにも雪はほとんどありませんでした。着いてしまえば勝手知ったるいつもの宿なので、宴会では思いっきり飲んで、そのあとも夜遅くまで部屋で飲みながら語り合いました。
次の日、いつもだと朝食を済ますとあとは流れ解散ということになるのですが、そのときは思いのほか予算が残ってしまったらしく、幹事の先生から「お金は野郎会から出ますので、酔い覚ましにボウリングでもやりましょう。」と声がかかりました。温泉宿をチェックアウトすると、私たちはまた車に分乗して、うららかな春の日差しの中、ボウリング場を探して走りました。(誰か福島に詳しい人がいたのかもしれません)ボウリング場は思いのほかすぐに見つかりました。日曜日でしたが、午前中だったからでしょうか、ほとんど待たされることなくレーンが取れました。男だけ10数名のむさくるしい不思議な集団はいくつかのグループに分かれてボウリングを始めました。
ボウリングをしている間、ジュークボックス(古めかしい言い方ですが、他になんて言うのか分かりません。お金を入れてホールに音楽を鳴らすシステムで、音だけでなく、ホール内のモニターにはその映像も映りました。とにかくジュークボックスの仲間でしょう。)からはある曲が繰り返し流れていました。
君がいた夏は 遠い夢の中 空に消えてった 打ち上げ花火〜
ちょっと切ないリフレインの歌詞が、妙に懐かしい感じのするメロディー、小気味よいアップテンポのサウンドに乗って繰り返されます。モニターにはくるくる回る回り灯籠の模様と、浴衣姿で演奏するバンドのメンバーの映像が映っています。最初は、3月に夏祭りとは、何と季節外れな選曲だ・・・と思っていましたが、聞いているうちに次第にその曲が心に沁みてきて、ボウリングが終わっても、帰宅してからも、もう私の中から消えることはありませんでした。
ジッタリンジンの「夏祭り」とはこうして出会いました。それ以来「夏祭り」は私の大好きな夏の歌だし、ジッタリンジンも数少ない好きなバンドの一つです。この季節になると、うららかな春の日差しとともに、季節外れの「夏祭り」との出会いを懐かしく思い出します。
※「夏祭り」は、2000年に北海道出身のホワイトベリーというバンドがカヴァーして歌ってかなりのヒットになりました。 |
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