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放課後日記

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2005年12月4日(日)
宮教大混声定演

 今日は宮教大混声合唱団の定期演奏会を聴いてきました。会場は若林文化センターでした。私が大学生だった頃、定演はだいたい市民会館で行っていました。1200以上客席がある大ホールに半分くらいしかお客さんが入らず、ずいぶん空席が目立っていたのを覚えています。若林文化センターは規模的にも宮教大混声の定演にちょうどいいホールです。音も素直な響きでなかなかいいと思いました。
 宮教大混声は今年初めてコンクールに出場しました。県大会で金賞を取り、東北大会に出場しました。そのとき歌った課題曲と自由曲が第1ステージでした。きれいによくまとまっていて、東北大会に行ったというのもうなずける演奏でした。課題曲と自由曲3曲でしたが、どの曲も私の知らない作曲家の曲で、初めて聴くものでした。4曲全て違う作曲家の曲というステージでしたが、ちぐはぐな感じはなく、どの曲もなかなか魅力的な曲だと感じました。(選曲のセンスが良いと感心しました。)
 しかし、第2ステージからはちょっと不満なステージが続きました。第2ステージは「日本の歌 世界の歌」と題して、滝廉太郎の「花」、「トロイカ」、「フニクリ・フニクラ」などさまざまな小品を歌うステージでした。けれども、声の使い方や曲のつくりがどの曲も同じで、曲ごと(国ごと)の特徴が感じられず、平板な演奏でした。
 第3ステージは「水のいのち」でした。客演の板橋先生は相変わらず真面目で丁寧な音楽作りをしていて、良い演奏だとは思うのですが、私には「水のいのち」の印象深い演奏の思い出があるので、それと比べて物足りなさを感じてしまいました。
 第4ステージは信長貴富の「新しい歌」という曲でした。大学の合唱団にぴったりといった感じの曲で、宮教大混声の声にも合っていると思ったのですが、最後まで声も言葉も客席の方に迫ってくることのないこじんまりとまとまった演奏でつまらなく感じました。
 先週の東北大混声合唱団の演奏会のときにも感じたことですが、学生の演奏会なのに、なぜこじんまりと小ぎれいにまとめてしまうのでしょうか。私は(たぶん聴きに来ているお客さんの多くもそうだと思います)大学生のそつのない無難な演奏を聴きたいのではないのです。多少荒削りでも、自分たちはこんな歌が歌いたいんだ、こんな音楽作りをしたいんだという姿勢が見える演奏が聴きたいのです。
 私が学生だった頃は、大学の合唱団はどこももっと主義主張のある演奏をしていたような気がするのですが、気のせいでしょうかね。


2005年12月1日(木)
海老澤さんからのメール
 28日の練習について海老澤さんからメールをいただきました。このように感じている団員の方も海老澤さんだけではないかもしれませんし、海老澤さんと私の考えを両方書くことによって、団員のみなさんの曲に対する理解も深まるのではないかと思い、本人の了承を得た上でメールをここに紹介させていただきます。(以下、海老澤さんからのメールの関連部分コピー)

 最初の1/4くらい迄しか聞いてないのですが、気になったことをメモにして、参考にしていただければと考えました。
 Gloriaの終曲をテノールのパートソロからあとの練習をつけていただいてましたね。ここで、メリスマのパートが強く出ないといけない、とご指導くださっていましたが、私は、メリスマの位置づけとしては旋律に沿ってきらきらと飾り付けている、ケーキで言えば飾り砂糖のようなものだと思っていますのでとても変な感じを受けました。
 まずT、次にA、そしてS1、次B、(S2は変形で追随)という順に歌いだしますね。Tが単独で歌う部分がメロディーで、とくにその3小節目(39小節)の八分音符上昇音形から次の小節の八分音符ひとつめに続く流れが次の小節でも繰り返され、この対が(淳一先生が示された歌い方実例を思い出せばよくわかるように)、いかにも楽しげなこのGloriaの締めくくりを導いていきます。この形を次のAが歌うのですから、Tのメリスマが主役というはずが無いと思うのです。どうかご一考をお願いしたいと思うものです。
 ついでに言いますと、この特徴的な音形をソプラノは上手に歌いますが、最初に歌うテノールが月曜日の練習では、下手です。悪いところは、たとえば39小節で A,Cis,D.Fis とあがっていく最後のFisを引いてしまっているのでした。これは淳一さんが前に指示されたことに反しています。その結果、この6小節の流れ、一体感が表現できないことになります。テンポも運んでいったほうがその感じをつかみやすいでしょうね。

 途中まで聞いたところで文句を言っているのでお気を悪くされるのではと心配しますが、あと実質1ヶ月ほどの練習でステージだという時期ですので、あえて、気づいたことはどんどん言いたいと思っています。間に合わなかったらどうしようもないので。「くさす」つもりでいるのではありません。いい演奏になるようにと思うためなので、どうぞよろしくお願いします。

 以下、海老澤さんのメールへの返信の形で私の考えを書きます。

 ご指摘の通り、本来メリスマは飾りとしての役割であって、主役となるものではありません。私もいままではそのように思って、主役となるテーマを前面に出し、メリスマを控える音楽作りが当たり前だと思っていました。
 Cum Sancto Spiritu のメリスマに関しては、淳一先生から「メリスマに入ったら、全員でスクラム組んで前へ前へ進む感じで歌う」「一つ一つの音に h を入れてしっかり歌う」「メリスマに入ってエネルギーが抜けてしまわないように」などの注意を幾度となく受けましたが、私も「えっ、メリスマをそんなにしっかり歌っていいの?」「ほかのパートをかき消してしまうのでは?」などと思っていたのです。ところが、前に立って指揮をする側(聴衆の立場)になって聴いてみると、違いました。
 各パートがメリスマに入ってすっと音量を落として背面に回ると、たしかに曲の構造が明確に分かるスッキリとした演奏にはなるのですが、なんだか最後まで冷静で心が熱くなっていかない演奏に聞こえるのです。逆に淳一先生に言われたとおり、メリスマに入ってから気合を入れて歌っていくと、メリスマを歌っているパートが牽引車になって(あるいはメリスマを歌っているパートにせっつかれるようにして)音楽がどんどんヒートアップしていくのを感じました。
 いつかのオペラ練習で言われたことなのか、何か別の機会に演出家の話として聞いたことなのか、ニュースソースは忘れてしまいましたが、「役者が、決まった段取りをこなしていくだけの演技になると途端に舞台がつまらなくなる」ということを聞いたことがあります。
 合唱団も、主役となるテーマはしっかり歌って、脇役のメリスマは控えてという段取りを何の疑問も持たずにこなすだけではいけないのではないだろうか、淳一先生が言っていたことを推し進めてメリスマを中心に音楽を作ってみたらどうだろうかと思ってやったのが28日の練習です。
 たしかに練習中に私が「メリスマが主役」言い切ってしまったことは音楽的に誤解を招くところがあったと思います。舌足らず(言い方が不適切)であったことは反省していますが、私の練習で意図したのは上記のようなことなのです。
(あと、Ten. の歌い方が上手くなかったところはその通りです。パート練習で取り上げて練習したいですね。)
 率直なご意見をありがとうございました。これからも気づいたことを言ってください。定演まであとわずかです。みんなでできるだけのことをしていきたいですね。

2005年11月30日(水)
練習日誌(11月30日)

 今日は前半が私の練習で、後半が淳一先生の練習でした。先生から「 Credo から始めて1曲にあまり長い時間をかけないでいいので先に進んでください」と言われていました。
 言われたとおりに Credo 1 から練習を始めましたが、Sop. の人数が少なく、Sop. がディヴィジョンする Credo 1 はパート的に無理がありましたので、後でこの曲に戻ることにして、全部で3回ほど歌っただけで Credo2 に移りました。
 Credo2 は、まず通してみたらそんなに悪くないものの、パートごとにかなりテンポ感が違うことと、一つのパートでも走る部分と、もたつく部分があること気になったので、テンポをキープして歌うこと心がけてもう一度通しました。冒頭の Bas. のテンポ感だけが少し遅いようだったので、テーマを歌うパートが推進力となってほかのパートを引っぱるような歌い方でと言いました。そうして歌ってみると、テンポは良くなったものの、テーマにスタッカートがかかったようになってしまったので、テーマがぶつぶつ切れないように注意しました。そうして何度か練習して Et incarnatus est に移りました。
 Et incarnatus est は、Et と incarnatus がくっつかないものの、全く別ものにならないような微妙な区切り方の練習と Et の入りを正しい音程で入る練習をしました。
 また、私からの提案として、「淳一先生から、音域や母音によって響きがばらばらにならないように、統一された声で歌うようによく注意されていますが、各自どんな音色・声の響きに統一していくか声のイメージ(理想像)を持つようにしましょう。」と言いました。すると吉野さんからは、「音程を正しく取る練習を先生がやるのでは時間がもったいない。先生が来る前に音程を正しく取るように心がけて練習しておきましょう。」と言う意見が出されました。櫻井さんからは「音程がずれている自覚がないと、なかなか直らないのではないか。」という指摘がなされました。櫻井さんの指摘については、パートリーダーが注意したり、近くの人どうし気づいたら教えあったりしていくということになりました。吉野さんの意見と、Et incarnatus est は特に音程がはまりにくい曲だという声から、この曲に時間をかけて練習することにしました。スタッカート唱を使って、音を出す瞬間に音程をつかむ練習をしました。

 休憩後は、Credo 1 の練習に戻りました。 Credo 1 では、おもに「 Cre から do への音のつながりのイメージをもつこと」と「この曲は声色がいいのか考えて歌うこと」に注意して歌いました。続けて Credo 2 の練習をしている途中で淳一先生が到着しました。
 先生の練習は Crucifixus をしました。一度通したあと、子音を取り、母音だけで歌う練習をしました。それぞれの母音が別々の響きにならないように、母音間をうまく橋渡して響きを統一する練習をかなり時間をかけてやりました。そのあと Et resurrexit 、戻って Credo 1・2 を通して今日の練習を終わりました。


2005年11月28日(月)
練習日誌(11月28日)

 今日、淳一先生は都合がつかず、前・後半とも私の練習でした。 Cum Sancto Spiritu から練習する予定でしたが、練習開始時 Sop.U がいなかったので、4声の Qui tollis peccata mundi を練習することにしました。強化練習で練習した「最初の八分音符の中に、Qu と i を均等に入れて歌う」ということを心がけました。また、各パートともテーマの歌いだし2つめの八分音符が3つめの音符より強くならないこと、tollis ダブルエルを意識して発音することにも注意して練習しました。
 7時40分を過ぎる頃には人数もそろい、ピアニストも来たので、Cum Sancto Spiritu の練習に入りました。1回通したあと、10分ほどパート練習の時間を取りました。(どこを練習するかは指定せず、パートに任せました。)集まってゆっくりめのテンポで通してから休憩に入りました。

 休憩後は、Cum Sancto Spiritu の後ろの方から遡るかたちでアンサンブルを整える練習をしました。まずは117小節以降をやりました。Sop.Tと Bas. の2声で1拍めのの十六分音符をそろえること、それに Sop.Uを加え3声でのバランスをとること、Alt. と Ten. がデュエットを意識してアンサンブルすること、全声部では、Sop.Tと Bas. が主役になるようにバランスをとりながら歌うことに注意しました。
 次は少し戻って80小節から111小節までを練習しました。メリスマを歌っているところが主役になるようにすること、Cum の発音はつぶれないようにほとんど「コム」と発音すること、Sancto は意識して Sa のアの母音を長めに発音することを注意しました。
 また少し戻って37小節から64小節までの練習をしました。注意したことは、80小節から111小節までと同じです。
 また戻って、18小節から37小節までの練習をしました。Sop.T・Uと Bas. の3声のアンサンブル、Alt. と Ten. の2声のアンサンブルを練習してから全パートで、やはりメリスマが主役になるようにバランスをとる練習をしました。
 最後に Cum Sancto Spiritu を少しゆっくりめのテンポで通して今日の練習を終わりました。

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