1.山は白銀 朝日を浴びて すべるスキーの 風きるはやさ
飛ぶは粉雪か 舞い立つ霧か おおお この身も かけるよかける
2.真一文字に 身をおどらせて さっととび越す ひちょうの翼
ぐんとせまるは 麓か谷か おおお 楽しや 手練の飛躍
みなさんよくご存知の文部省唱歌「スキー」(時雨音羽作詞 平井康三郎作曲)です。私が小学生だったとき、音楽の時間に習った記憶があるのですが、現在は共通教材から外れたので、教科書には載っていないようです。
習ったときメロディーはとても気に入ったのですが、歌詞についてはチンプンカンプンで全く実感がわきませんでした。古めかしい文語調ということもありますが、子どものころスキーをしたことがなかったというのも大きな理由だと思います。
私が子どものころ、私の郷里の岩手ではスキーやスケートなどのウィンター・スポーツは一般的ではありませんでした。北国なのに意外に思われるかもしれませんが、スキー場はあまりありませんでした(安比高原スキー場は子どものころなかった)し、スケート場も県庁所在地の盛岡以外にはなかったのではないかと思います。私のところから一番近いスキー場が花巻でした。その花巻でさえ列車で1時間半以上かかったし、スキー場へはさらにバスなどに乗り継いで行かなければなりません。自家用車のない家庭では日帰りでスキーに行くことなど考えられなかったため、スキーを楽しむことができる家庭は限られていました。子どものころの感覚では、スキーは自家用車を持っていて、高いスキー用品を買い揃えられるお金持ちのスポーツで、私たち庶民には縁遠いものでした。
私が初めてスキーをしたのは小学校に勤めてからです。5年生の担任になって子どもたちをスキー教室に連れて行かなければならないので、その前に同僚といっしょに山形蔵王に行って泊りがけで特訓してもらいました。この職業に就いたおかげでスキーを覚えたようなものです。(それにしても、小学校でスキーを教えてもらえるなんて、私が子どもの時代に比べて、今の小学生は恵まれていますね。)
泊りがけでスキーをしてみて、初めて朝日を浴びた白銀の山も見ることができたし、スキーのスピード感も味わうことができました。でも、腕前はいつまでたってもボーゲン以上パラレル未満なので、2番の歌詞の「手練の飛躍」の感覚はまだ味わっていません。
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