ここ2ヶ月ほど、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」を練習しています。大学生になってからピアノを始めた私にとっては超難曲です。
実はこの曲に取り組むのはこれで3回目です。初めて挑戦したのは大学2年の頃だったでしょうか。全音のピアノピースの楽譜を買ってはみたものの、♭が6個も付く調で、あまりの難しさに最初の8小節くらいで挫折しました。2回目に挑戦したのは数年前です。この時はかなりがんばって右手だけ、左手だけと別々にならば何とか弾けるようになりました。でも、両手を合わせて弾こうとすると、とたんにできなくなり挫折しました。今回が3度目の正直!と思ってがんばってさらっています。
この曲に初めて出会ったのは高校3年ももう終わろうという時でした。音楽の最後の授業は卒業演奏で、何でもいいから自分が得意な曲を発表するという時間でした。その時、高校3年間ずっと憧れていた女の子がこの曲を弾いたのです。音大のピアノ科を受験していたその子は、ドビュッシーの「月の光」と、この「亜麻色の髪の乙女」を弾きました。憧れの子が弾いていることもあって、私は「世の中には、こんな美しい曲があるのか!」と呆然と聴き入っていました。その後、自分が音楽をやるようになっても、「亜麻色の髪の乙女」はずっと「いつかは自分で弾けるようになりたい憧れの曲」でした。 それがこのごろやっと、時々つっかえながらも両手で最後まで弾けるようになってきたのです。
それで、「演奏の精度を上げるためにスケール(音階)も練習しよう」と思ってハノンを開きました。ハノンを見ながら、「♭が6個付くということはファとシ以外は全部黒鍵を弾くんだ・・・」と思った瞬間、ある有名な曲が頭に浮かびました。やはり「ファとシ以外は全部黒鍵を使う」その曲は「ねこふんじゃった」でした。
ドビュッシーのピアノの名曲「亜麻色の髪の乙女」と、子供のピアノの名曲「ねこふんじゃった」はなんと、どちらも同じ変ト長調(Ges dur)だったのです。
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