もの思いの放課後

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天文学的な数字                                     2006. 6.24
 どこの小学校でも、月1回程度のペースで「学校だより」というものが出されています。学校からのお知らせ、月の行事予定などのほか、冒頭には校長や教頭が時候の挨拶を含んだ教育や学校に関するエッセイを書いたりしています。
 もちろん私の勤める小学校でも学校だよりが出されていますが、昨年度からその中のエッセイを学級担任が持ち回りで担当することになりました。それまでは、毎回校長が書いていたのですが、「校長だけが書いているのではマンネリ化してつまらない。担任の先生方にも書いてもらいましょう。」ということで、昨年度スタートし、今年度も継続しています。
 6月半ば頃、7月号の原稿依頼が私に来ました。「題材は自由ですが、学校だよりにふさわしいもので、A4版で数行程度でお願いします。」ということでした。
 これはかなり厳しい条件です。まず、「学校だよりにふさわしい内容」というのが難しい。あまり硬い内容だと読んでもつまらないだろうし、かと言ってふざけた文章も書けないし、この「もの思いの放課後」のようにマニアックになってもいけないし・・・。
 「 A4版で数行程度」と言うのも難しいですね。字数にすると250〜300字程度ですが、それなりの内容がある文章をその字数でまとめるというのは、だらだらと長い文章を書くよりもずっと頭を使う作業です。
 いろいろ考えた結果、7月号なので七夕から話題を起こして、身近にあるちょっと意外な数字の話に持って行きました。行数は少しオーバーして9行になってしまいましたが、O.K が出ました。
 せっかくなので、「放課後の音楽室」の読者の皆さんにも読んでもらおうと思って、ここに転載します。(学校だよりはまだ出ていないのですが、転載と言うのかな?)

 天文学的な数字

 七夕が近づき、夜空を見上げるような機会も増える季節だと思いますが、私たちのごく身近なところにもびっくりするような天文学的な数字が潜んでいるというお話です。
 私が一人ここにいるということは、その父と母、2人が存在したということです。一代遡ると、父母それぞれの両親、つまり4人の祖父母が存在したということです。さらに一代遡ると8人の曾祖父母、さらに遡ると16人・・・ というふうにして20代遡ると、なんと100万人という数に上ります。たった20代遡っただけで100万人です。さらにどんどん遡るとどんな数になるか想像もできません。私はそのような天文学的な数の祖先の命を引き継いだ奇跡的な存在です。いえ、私だけではありません。今生きている私たち一人一人は、じつはみんなそのような掛替えのない奇跡的な存在なのです。当たり前のようなことですが、なんかとても感動的なことだと思いませんか。

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